夢現な眠り

□11話
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NO side











夜とはいえ、まだ閉店になっていない店の光が道路を照らしている。
大人な雰囲気のレストランから聞こえる食器が当たる音が、彼女を更に興奮させた。


そして、香ばしいパン特有の匂いが鼻を擽る。匂いの元はやはりパンのお店で、ショーウィンドーにはとても美味しそうなパンが並べられていた。

「おやおやっ? こんなところにパン屋さんがあるではないかっ!」

当然のごとくお店に入ったアオイはたちまちメロンパンやカレーパンなど、いくつものパンをトレイに乗せていく。それは一人で食べきれるとは思えないほど多かった。

流石の店員さんも目を見張るが、それは一瞬のことで、営業スマイルを貼り付け、レジ打ちを始めた。



茶色の専用紙袋に入れられたパンを左手に、そしてチョココロネを右手に持ち、アオイは再び繁華街を歩き続けていく。




その頃、学校の様子はというと。

「ねぇ、もう十分以上経つけどさ、佐倉さん戻ってきてないよね…?」
「きっと外でなんかしてるんじゃない? あの子、不思議ちゃんなとこあるし」

帰ってこないエレンを不審に思った女子二人の会話は、逆巻の人たちに聞こえることなく消え去っていった。
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