夢現な眠り

□1話
3ページ/5ページ

焦った時は深呼吸だと、ママが教えてくれたなァ。


…すぅーはぁー。
…すぅーはぁー。
…すぅーはぁー。




「キミ、小森ユイって子どこか知らない?」

あ、吸血したいんっすか。
唐突っすねアニキ。でも残念だけど知らねぇです。


あれ? クールダウンしたけど、変な思考にいった気が…。いや、この際いいや。

どうやら二人はユイちゃんの行方を知りたくて、適当な人に声を掛けたようです。

つかユイちゃんここまで執着されるなんて……お気の毒です。まあでもヒロインなんだから、そのあとの恋愛楽しんで!

「小森ユイ、ってどなたですか……?」

ここは慎重に知らないふり、知らないふり。冷静になったおかげで目は泳がせてないから大丈夫だろう。

「あ、なら良いんだ。んふっ」
「…っ。いえいえ!!」
キラースマイルを向けられ、今ライトに虜になりました私。って視線を咄嗟に作った。きっと他の女子達はこうなるのが普通なはずだ。
変に靡かないと逆に興味を持たれてしまうフラグは華麗に回避。
ま、こんな凡人に興味持つのも持てないと思うけど。

ライトとカナトは興味をユイの捜索に移し、私の元を去った。


「息が詰まるかと思ったぜ……」

ほんの少し会話しただけでも目眩がしそう。やっぱ、触らぬものに祟りなし。

もう関わるのはこれっきりでありますよーに!!!
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ