夢現な眠り
□1話
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焦った時は深呼吸だと、ママが教えてくれたなァ。
…すぅーはぁー。
…すぅーはぁー。
…すぅーはぁー。
「キミ、小森ユイって子どこか知らない?」
あ、吸血したいんっすか。
唐突っすねアニキ。でも残念だけど知らねぇです。
あれ? クールダウンしたけど、変な思考にいった気が…。いや、この際いいや。
どうやら二人はユイちゃんの行方を知りたくて、適当な人に声を掛けたようです。
つかユイちゃんここまで執着されるなんて……お気の毒です。まあでもヒロインなんだから、そのあとの恋愛楽しんで!
「小森ユイ、ってどなたですか……?」
ここは慎重に知らないふり、知らないふり。冷静になったおかげで目は泳がせてないから大丈夫だろう。
「あ、なら良いんだ。んふっ」
「…っ。いえいえ!!」
キラースマイルを向けられ、今ライトに虜になりました私。って視線を咄嗟に作った。きっと他の女子達はこうなるのが普通なはずだ。
変に靡かないと逆に興味を持たれてしまうフラグは華麗に回避。
ま、こんな凡人に興味持つのも持てないと思うけど。
ライトとカナトは興味をユイの捜索に移し、私の元を去った。
「息が詰まるかと思ったぜ……」
ほんの少し会話しただけでも目眩がしそう。やっぱ、触らぬものに祟りなし。
もう関わるのはこれっきりでありますよーに!!!