夢現な眠り

□3話
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翌日のこと。

シャーペンが擦れる音や、消しゴムを使用する度に発生する机の振動が、教室の中に響く。

そしてエレンは、ノートに垂れそうな髪を耳に掛けながら、真剣に授業に取り込んでいた。


そうして終わりを示す合図に合わせ、エレンは机に散らばった筆記用具を片付けた。

「佐倉さん、またね!」
「えぇ。また明日」
クラスメイトに笑みを向け軽く手を振ると、後片付けをささっと終え席から立ち上がる。


廊下をローファーで歩く音がこだまする中、温度が一回り下がった様な悪寒を覚えた。そして誰かから監視されている様なおぞましさ。

本来ならば恐怖心が勝りそうなものを、エレン──いやその姿を被った"カヤ"は全く動じずに歩きを止める事はない。


(……何かがおかしいですわね)


だが若干不信感を抱きながらも、カヤは深呼吸をして俯いた。数秒間静止していたが、エレンの体は我に返ったようにビクッと跳ねる。







「……こんな不気味なとこで替わってほしくなかったな!!」
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