夢現な眠り

□2話
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いくつかの授業を終え、放課後。
クラスメイトはぞろぞろ帰り始めている。私も〜、と席を立った時、前方から視線を感じた。


アヤトに見られてる。


確認しなくても分かる。睨むような視線を。…いや絶対睨んでるよね!?


でも視線に反応するより、気付かないふりしてた方が良い気がする。

全身冷や汗が流れるのを感じながら、カバンを持って廊下に出た。背中に走る寒気を無視して。





人気の少ない場所まで歩いたとき、変な脱力感が私の体を襲った。足が震え、廊下に尻餅をつく。
「あれ、力が……出ない…?」

もしかしてさっき、極度の緊張状態だった? 絶対あいつが原因だよね、それしかないよね、絶対そうだ。

足に力を入れても立てない。
やべぇ、どうしよ。人気もいないから教師や生徒からの助けを求めるのは絶望的だろう。


でも誰か、たーすーけーてー。

「床に座り込んで、お前何やってんの」
「っ!!!」

そ、その声は、逆巻シュウ!?

……神様、助けを望んだのは私ですけど、なにも逆巻の一員にその仕事をさせるのは良くないと思うんですけど。

つかシュウさん、アホを見るような視線止めてくださいよ。好きで座ってんじゃないんだってば。

ここはシカトすると変に思われるから、一応返答する事にしよう。


「力入れても立てなくて…」
愛想笑いを浮かべながら、自分の足をさする。潔く理由言ったんだから、どっかいってください

「へー…」

別に興味無いですよね!? 凡人生徒が困ってても、いつもの貴方ならスル―しますよね!?
そんなこと知ってますよ!! だから早く帰った方がいいんじゃないかな!?







早く立ち去ってほしいデス。
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