†ルーン・マジック†

□激突
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「でもまぁ、良いか。次でブッ殺せば良いだけだしな!!」


そう言うとベルガはジェラルドに向かって一直線に突っ込んで来た。
ジェラルドが傷を負ってるから……等の理由では無く、単にバルダよりも近かったからだ。

対するジェラルドも間合いを詰める。
大剣はその重量故にスキが大きく、また巨大さ故に小回りが利かない。

その為、接近して近接格闘に持ち込めばこちらが有利と判断したのだ。

そんなジェラルドの思惑を知ってか知らずか、ベルガはスピードを落とさずに突進し、ジェラルドは大剣の射程圏に入り身構える。

しかしベルガは大剣を使う素振りは見せず、更に踏み込んみ……





開いた左手で強烈なアッパーを放った。

ジェラルドは大剣が来る事を前提に身構えてたのでアッパーを避ける事は叶わず、何とかガードで凌ぐ。

だが……その衝撃でジェラルドの体が浮き上がった。
そして、それに合わせる様に振り下ろされる大剣。

今まで数多もの敵を葬って来た連係が決まり、ベルガは勝利を確信する。

しかし……次の瞬間、ベルガは大剣を握った右手に強い衝撃を感じた。

何事かと意識を前に向ければ、未だ生きているジェラルドが、後方へと下がっていく姿が。

興奮して一種のトランス状態に陥っていたベルガには何がどうなったのか理解出来ていない。

だが、やや離れた所で二人の攻防を見ていたバルダは何が起こったのかハッキリと理解していた。

ベルガの大剣が振り下ろされた瞬間、ジェラルドは咄嗟に大剣の横面を蹴り軌道をずらしたのだ。

ジェラルド自身も体を思いっきり捻り、何とか悪夢の一撃を避ける。
バランスを崩した態勢で落下していったが、地面に手を付き体を反転させて両足で着地。

そして、バックステップでベルガと距離を取った。

ちなみにこの一連の動作は全て片手でシルクハットを押えながら行なった。馬鹿だ。


距離が離れた事により幾分落ち着きを取り戻したベルガは心中で愚痴る。

(チッ……! せっかく良い儲け話が転がり込んできたってぇのに面倒な奴等に会っちまったな……クソッ! 今日は運が良いんだか悪いんだか)


二人の攻防を見ていたバルダは心中で狂喜する。

(ふぅむ。今の様子からして二人は殺し屋では無い様じゃが……まさか、エドガー一派の他にこんな強者と出会えるとは……! 今日はなんと良き日か!!)


短時間ながらも二人と拳(?)を交えたジェラルドは心中で嘆く。

(面倒だな……この二人は俺より強い。
エドガー等と戦う覚悟はしていたがコイツ等の事は予想外だ。まったく、今日は厄日か……)


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