†ルーン・マジック†

□思惑とすれ違い
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「指輪の情報だと?」

「クク……あぁ、そうさ。 君にはとても価値のある情報だろう?」

「確かにそうだが……解せないな」

「解せない? 何がさ?」

「指輪の在処が解ってるならお前が直接取りに行けば良い。
『指輪の情報』よりも『指輪そのもの』の方が価値は遥かに高い」

「……ハァ、まったく。アリソンが居なきゃ一人で散歩も出来ない癖にそういう所は妙に鋭いよね」

「別に俺一人でも散歩は出来る。
ただ、俺一人だと確実に道に迷うだけだ」

「それが問題なんだよ」

「自覚はしている……だが、そんな事はどうでも良い。 さっさと話を進めろ」

「あぁ、そうだね。じゃあ聞くけど……君達は《虎の爪》って知ってるかい?」

「知るか」

「だよね……まぁ、《虎の爪》って言うのは此処ら近辺では最大の規模を持つ盗賊団さ」

「ソレと指輪に何の関係あるの?」

「クク、此処から先はこの情報を買ってくれないと言えないなぁ」

「やっぱり殴る! ジョッキ貸して!」

「弁償するハメになるからやめろ。よし……ではその情報を買おう。幾らだ?」

「クク、何と言っても指輪の情報だからねぇ……まぁ、50万は払ってもらうよ」

「幾らだ?」

「だから50万だって…」

「幾らだ?」

「……仕方ない、30万で売るよ」

「幾らだ?」

「……10万」

「幾らだ?」

「……5万で良いよ」

「よし、交渉成立だな」


ジェラルドは交渉(脅し?)の末、レドナの提示した金額に満足し料金を払う。


「さて、代金も受け取ったし情報を渡そうか」

「さっさと渡せ」

「まぁまぁ、そんなに急かさないで。
時にはじっくり時間をかける事も大切だよ?」

「「……………」」

「解ったよ、言うから二人して睨むのは止めてくれ」


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