カルディア学園
□アリソン、セシルと一緒にお留守番
4ページ/19ページ
「それでは、何を遊びましょうか?」
「何ある?」
「やっぱりトランプの代表的な遊びと言えばババ抜きでしょうか」
「ん、じゃあそれやる。
ポーカーやダウトだったら勝てないし」
「そうなんですか?」
「うん。ゼロとやるけどいっつも負ける」
「あー、確かにジェラルドさんってポーカーとか強そうなイメージがあります」
「私は分かりやすいって言ってた」
……ジェラルドさんが強いのは心理戦が上手いからとかじゃなくて、単にアリソンさんの表情が読めるから?
「どうしたの?」
「あぁ、いえ……トランプ配りますね」
私はぎこちない手付きで……そう、自分でもぎこちないと分かるぐらいぎこちない手付きでトランプをシャッフルする。
極々普通の切り方なのに、やっぱりテレビで見るジェラルドさんとは大違いだ。
あの人も一生懸命努力して今の技術を修得したに違いない。
うん、きっとそうだ。良かった、探せばジェラルドさんにも人間らしい所があるんだ。
「何時まで切ってるの?」
「はぅッ!? あ、すみません……では配りますね」
「ん」
私がトランプを配り終えると、お互いがダブっている数字のトランプをドンドンと卓袱台の上に放って行く。
「出来た」
「どっちが先に引きます?」
「私から」
「ではどうぞ」
アリソンさんは悩む素振りも見せずにトランプを引き、自分の手札から同じ数字のトランプを出して場に捨てる。
まぁ、二人でやっている以上、引いたトランプが必ず対になるのは当然なのだけれど。
「むぅ……」
「さぁ、2を引けばアリソンさんの勝ちですよ?」
「……むぅ」
アリソンさんは流石にこの場面では迷うものの、それでも然程の時間は掛けずに手を伸ばした。
アリソンさんが引いたのはダイヤの2番……これでアリソンさんの上がりが確定した為、私の負けだ。
「勝った!」
「負けてしまいました。もう一回やりますか?」
「いい。最後の3枚になるまで退屈」
「まぁ、二人ですしね」
「次はチェスやる」
「えッ……!?」
「なに?」
「あぁ、いえ……やりましょう」
失礼ながら、まさかアリソンさんの口からチェスだなんて言葉が出て来るとは……
「これ」
アリソンさんは取り出したチェス盤に手際良く駒を配置していく。
……本当にチェスをやってるんだ。
「私も終わりました」
「ん、順番はセシルの好きな方で良い」
「では先行をやらせて頂きます」
「ん」
私は駒を動かし、次にアリソンさんも駒を動かす。
暫くはそんな光景が続いてたけど……
「ナイト取った」
「う……」
「ビショップ取った」
「うぅ……」
「クイーン取った」
「うぅぅ……」
「これでチェックメイト」
「……参りました」
「ん、私の勝ち」
本当に強い!? 私も本気でやったけど全然相手に成らなかった。
私自身、特別チェスが上手いと言うワケでは無いのだけれど……なんか不思議な感じ。
.