カルディア学園

□アリソン、セシルと一緒にお留守番
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私は冷蔵庫を閉めて席に戻った。


「ハムやレタスは有ったのでサンドイッチは大丈夫そうです。
他の具は作る時に有る材料で考えるので」

「ん。お昼まで何する?」

「そうですね……お昼まで未だ時間がありますが、今夜は台風で現時点でも既に強い風が吹いています。
出来る事なら外出は避けたいですね」

「ん、じゃあ楽しいヤツ持って来る」

「楽しいヤツ……?」


疑問符を浮かべる私を余所に、アリソンさんはベッドの下から大きな段ボール箱を引っ張り出した。
中に入っているのは、縄やローター等、俗に大人の玩具と呼ばれる代物……


「……アリソンさん、右手に持っている物は?」

「ボールギャグ。口塞ぐヤツ」

「……左手に持っている物は?」

「手錠……ん、手枷? や、足かも」

「……取り敢えず用途は分かりました。
せっかく出して頂いて申し訳ないのですが、今はそれで遊ぶ気分にはなれないので……」

「むぅ」


アリソンさんは不満そうに……とてもとても不満そうに段ボール箱をベッドの下に押し戻した。
それにしてもさっきの吊る発言と言い、今の道具と言い……


「アリソンさんは……えっと、そういうのがお好きですか?」

「んゆ?」

「だからその……え、SM、とか……」

「うん、好き。私M」

「そうですか……」


何だか私より随分先に進んでいる気がする。道は普通じゃないけど。
でも、どんなに可愛くてもアリソンさんは私より年上なんだから進んでるのも当然なのかなぁ……







いやいやまさか。

私とアリソンさんの年齢差は僅か1歳。
私がこれからの1年でSMにハマるとは思えない。
やっぱりこれはアリソンさん自身の性癖なんだ。
でもラピスなんかも凄い事やってそうだなぁ……いや、凄い事をやるのはどちらかと言えばリッツさんか。


「セシルは違うの?」

「ぅえ!? あー、いや……違います……ね?」

「じゃあS?」

「や、それも違う……と思います。
私には今の所、特殊な性癖は持っていないので。
後、そういう事は無闇に口にしない方が良いですよ?」

「そうなの?」

「はい」

「むぅ……じゃあ違う暇つぶしやる」


大丈夫かなぁ……
アリソンさんは部屋の隅に置いてある段ボール箱を開けている。
私が疑問に思った段ボールを……キッチリ梱包されている段ボールのガムテープをビリビリと破いている。
もしかしてまた大人の玩具?


「これ!」


そう言ってアリソンさんが掲げたのは……


「トランプ?」


一組のトランプだった。
段ボール箱を覗いてみると、中には未開封のトランプが隙間無く詰められていた。


「凄……」

「ゼロの仕事道具。テレビやステージだと新品の使うから沢山買い溜めしてるの」

「……そんな仕事道具で勝手に遊んで良いんですか?」

「一つぐらい平気」

「はぁ……」


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