カルディア学園

□アリソン、セシルと一緒にお留守番
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「まず、この家の食材は自由に使って良い。
金を置いておくから、食材が足りなかったり外食したい時はそれを使え。
菓子類……特にチョコレートは余り与え過ぎない様に注意しろ」

「はい」

「むぅ……」

「後は……そうだな。夜は先にアリソンを寝かし付けて、朝はアリソンより早く起きて部屋の明りを点けてくれ」

「はい、その事に就いては重々承知しています」

「ならば後は頼んだ。俺はそろそろ行く時間だな……」

「ゼロ、頑張ってね!」

「あぁ。アリソン、土産は何が良い?」

「お菓子!」

「やはりな。セシルは?」

「あ、御気遣い無く……」

「ふむ、ならば適当に選ぶか。では行ってくる」

「行ってらっしゃい!」

「お気を付けて」


ジェラルドさんはトランクを持って家を出ていった。
あの真っ黒スーツで他の街を歩いても大丈夫なのかな……?


「ジュース持って来る」

「あ、私が淹れましょうか?」

「平気。セシルは座ってて」

「はい、では御言葉に甘えて」


私は部屋を見渡す。
大抵の家具や調度品は質素な物が多く、小物やぬいぐるみの類は殆ど無い。
本棚が無いからか、本は床に重ねて置いてある。
……魔術や神話の本が殆どなのはジェラルドさんの趣味?

全体的に然程のお金は掛けていない印象だけど、何故かコーヒーメーカーだけは素人の私から見ても上等だと分かる高級品。
多分、ジェラルドさんって自分の趣味にはお金を惜しまないタイプの人だ。

そして気になるのは……とてもとても気になるのは、部屋の隅に詰まれた段ボールやかなり古そうな卓袱台……そして天井からぶら下がったサンドバッグ。
良く見ると、天井にはフックや滑車等も付いている。


「持って来た!」

「あ、頂きます。……アリソンさん、ちょっと質問良いですか?」

「なに?」

「あのサンドバッグは何でしょうか?」

「家でもキックの練習が出来る様にってゼロがハリスに買わせた。
麻雀の負け分をチャラにする条件で」

「賭博は犯罪では……」

「バレてないから平気」

「……では天井に付いているフックや滑車は?」

「私を吊る時に使うの」

「吊る……ッ!?」

「あと、雨が続いた時は洗濯物掛けたり」

「はぁ……」

「セシル、お昼ご飯は?」

「え? あぁ……アリソンさんは何か食べたい物はありますか?」

「チョコ!」

「それだと私が怒られてしまいます。
そうですね……ではサンドイッチなんてどうでしょう?
一緒に作りましょう」

「一緒に……私にも出来るの?」

「出来ると思いますよ。基本的には具をパンに挟むだけですから」

「ん、じゃあサンドイッチにする」

「はい。では材料を見て来ます」

「ん」


私は席を立ち冷蔵庫に歩み寄って中を見た。
食パンは有る。ハムや玉子、レタスも有る。
取り敢えず基本的な材料はあるから何とかなるハズ。


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