カルディア学園
□アリソン今月のお菓子事情
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「うぅ…うぅ〜……!」
「まぁ、前向きに考える事だ。コレで一月1000円で過ごす術を身に着ければ来月から2000円は自由に使えるようになる」
「むぅ、分かった……帰ってから考える、ゼロは?」
「……俺も帰るか。途中買っていく物があるが」
「買ってく物……?」
25分後
ジェラルド宅
「さて、やるか」
「さっき買った折り紙?」
「あぁ、千羽鶴だ」
「なんで?」
「今度の仕事に使おうと思ってな」
「マジックに千羽鶴使うの?」
「まぁ、正確には使う予定だが。
そういうワケで暫くは忙しくなるからな、余り構ってやれん」
「むぅ……」
アリソンは不満気に呻くが……ただ黙々と鶴を折っているジェラルドを見て、流石に邪魔をしてはいけないと思ったのか、おとなしく立ち上がり台所へ向かう。
確か台の上にお菓子の入ったビンが置いてあったハズ。
暫くはコレで乗り切るしか無い……! そう思っていたのだが。
「脚立が無い……」
一大事だ。脚立が無ければお菓子入りのビンが取れない。
「ゼロー、脚立はー?」
「隠した」
「なんでッ!?」
「小遣いが少ないと家に蓄えてある菓子を全て食べかねないだろう?」
「う……」
再び言葉に詰まるアリソン。
「うぅ…うぅ〜……!」
しかしそれで諦めるアリソンではない。
彼女はキッチンの上に乗ったり、先端にわっかを作った紐を投げて引っ掛けたりで何とかビンを入手する。しかし……
「ふぬうぅぅぅぅぅぅ!」
開かない。
「んにゃあぁぁぁぁぁッ!!」
やはり開かない。
「うぅ、ゼロがビンのフタをギュッ!てしたんだ……!」
さてどうするか……
アリソンは暫し思案する。そして……
「出かけてくる」
「気を付けろよ」
「ん、平気!」
どうやらアリソンはジェラルドの目の届く所でお菓子を入手するのはかなり難しいと悟ったらしい。
こうなったら彼の目の届かない所……野外でチャンスを捜すしかない!と判断し、歩きながら現状打破の策を考える。
「この状況をどうにかするには……
1 お金を増やす
2 お菓子を増やす
3 我慢する
でも3は絶対に嫌だ!」
アリソンは自分が立てた方針の一つをあっさりと打ち砕く。
「お金はどうしよう。私が出来そうなバイトも無いし、あっても雇ってくれるか分かんない。
それに、前に働いてた所みたいにいきなり敵対組織が乗り込んで来たら……多分私だけじゃ危なそうだし」
どんな職場だ。そもそも普通の会社は競争相手は居れど、敵対組織など居ない。
「宝くじも当たらなそうだし……やっぱりお菓子を増やすしか無いかなぁ……」
アリソンは残った最後の方法に考えを巡らせる。
しかし『お菓子を増やす』とは……?
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