カルディア学園

□お婆ちゃんを守れ!
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「分かった。わしゃあも今晩暇な舎弟と見張る。
漢ゲーリーの生き様にかけてお婆さん家には指一本触れさせん!」

「頼んだよ。あたいも奴隷と部下で暇そうな奴を当たってみる」

「フランの部隊では"部下"より"奴隷"の方が立場は上なんですよねぇ……やはり違和感が」

「アイツ等はあたいの奴隷だからね。
あたいが強いと認め、打ち倒し、調教した女達さ。
いわば精鋭……そこらの兵隊よか役に立つ。
部下の中に気に入った奴が居たら、あたい直々に奴隷にするしね」

「つまり強い人はフラン直属部隊に入る訳ですか。
こういう時に数が居るのは羨ましいですね。独り身では肩身が狭い」

「グラディアスも舎弟を持てば良いのに」

「私は人を引き付けるカリスマを持ち合わせてはいないので。
ジグロードの不良達は、私ではなくゲーリーやフラン、ジャグラスを慕っている訳ですし」

「ジャグラスがねぇ……アンタはどうすんだい?」

「あぁ、めんどくせーからパスするわ」

「なんだって!? アンタだってお婆ちゃんには世話になったろう!」

「面倒なもんは面倒なんだよ」

「コイツ……!」


ジャグラスの言葉に猛るフラン。
グラディアスはそんな彼女を宥める様に肩を叩き、口を開く。


「ではジャグラス。暫く貴方の部下は私が指揮しても?」

「勝手にしろ」

「ありがとうございます」





「くそ! あのイカれトサカ野郎……!!」

「まぁ、そんなに怒らないで。ジャグラスだって心配してますよ。
だからこそ部下を私に預けてくれたんです」

「とてもそうは見えないけど?」

「彼はツンデレですから。さて、それでは準備に取り掛かりましょう。
各自、自分の部下達に持ち場と時間を伝えて下さい。
見張りの時間は状況にもよりますが、大体1〜2時間ぐらいが良いかと」

「了解。じゃ、行ってくる。
確か今日はヤヌが暇だったな。ケリーはどうだったか……」

「……ブツブツ呟きながら去っていきましたね」

「電柱にぶつかるぐらいだから平気だろう」

「ゲーリーとフランとじゃあ、耐久力が違いますよ。
まぁ、確かに電柱ぐらいなら大事にはならないでしょうけど」

「途中でジャグラスの舎弟を拾ってわしゃあの舎弟と合流するぞ。
それでグラディアスから指示をくれ」

「分かりました。では、行きましょう」




しかし幸運にもこの日は何事も無く、翌日再び集まった。
何故か見張りに参加していないジャグラスも会議に参加し、ゲーリーとグラディアスも表面上は至って平常に見える。

しかし……フランだけは、心配し過ぎて周りの制止を振り切り一晩中見張っていた為かなり悲惨。
これで弱っているのならまだ可愛げがあるが、まだ見ぬ泥棒への怒りなのか、充血した目をギラギラと光らせている。


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