カルディア学園

□お婆ちゃんを守れ!
4ページ/12ページ

「でも、だったら尚更無くす訳ないじゃん?
まさか……泥棒!? 危ないよお婆ちゃん!
今夜はあたいも泊まっ……」

「落ち着いてフランちゃん。
家には泥棒が欲しがる様な物なんて無いし、泥棒だったらわざわざ取り難い場所にある木彫りなんて盗らないし。
そのすぐ隣りにある茶碗の方がよっぽど値打ちがあるのよ?
爺さんは若い頃から不器用で、木彫りもぶっつけ本番だったからあの熊は素人目に見ても安物だと分かるわ」

「うぅ〜……でも……」

「フランちゃんは学校に行かなきゃ駄目でしょ。
赤点なんて取ったらバイトの時間も無くなるし」

「分かったよ……でも何かあったらすぐあたいのケータイに連絡入れてよね?」

「はいはい」

「じゃあねお婆ちゃん。戸締まりはしっかりねー!」




翌日

ジグロード学園:屋上


「なんだよ花子。話ってよ」

「わざわざ四天王を集めたという事はただごとでは無い……という事態に?」

「そうだ。あたいのお婆ちゃん家に泥棒が入ったかも知れない」

「なんだとおぉぉぉぉぉぉぉ!?
フランのお婆さん家に泥棒だとぉ……!
一大事じゃあああああああああ!!」

「それで、我々にどうしろと?」

「それを聞きに来たんだよ」

「ふむ。危ないので警察に任せておきましょう……という答えでは納得しないでしょうね」

「勿論」

「ならば私達は彼等を参考に行動しましょう。
この広い大地と海を見つめる者。
昼と夜に交代しながらこの世界を見つめる者。
ですが! おぉ、悲しきかな悲しきかな!!
されど彼等は見ているだけ……あくまでも監視者であり我々を助けてはくれないのです!
しかし模倣する事は出来ます。
我々も模倣し、見つめましょう。
そして地を這うこの身体に感謝して泥棒と同じ高さで見やりましょう。
大空に輝く光には敵わなくとも、その周りに散らばる星々になる事は出来るのです!
事実、我々人間がまず目指すのは大きな月や太陽では無く、世界中で散らばる星ではありませんか!!」

「つまりあたい達で見回って監視するって事? 普通過ぎる発想だねぇ」

「シンプル・イズ・ベスト……泥棒や空き巣の類は人目があると犯行は出来ないので我々が巡回するだけでも効果はあるでしょう。
幸いな事に私達には数と力がある。
四天王ならケチな盗人ぐらい一人でも取り押さえられますし、部下の方々も複数人で組ませれば脅威となります」

「そう上手く行くかい?」

「取り敢えず情報を集めてからですね。
本当に泥棒の仕業なら他にも被害にあった家があるハズ……それを調べて行動パターンを分析してみますよ」

「そうか。こんな芸当出来るのはアンタだけだからね……頼んだよ」

「御任せを。ひとまずは夜中暇な人が交代でお婆さん宅付近を見張る方向で。
情報が集まったらまた新たに指示を出します」


.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ