カルディア学園

□お婆ちゃんを守れ!
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「一応、それまでは結構親の事も好きだったんだ。
親が喜んでる顔が見たくて勉強も頑張ったさ。
実際、テストで良い点を取ったら褒めてくれた。
けれど……娘が女好きって分かった瞬間、一気に落ち零れ呼ばわりさ。
跡継ぎが産まれないって落ち込んでたよ。
だからかな……あたいの知らない所で勝手に縁談して結婚の約束を取り付けやがった!」

「そこからだねぇ、フランちゃんがよく婆ちゃんの家に来る様になって……喧嘩をしだしたのは」

「お婆ちゃんはあたいが同性愛者だと知っても、親と違って蔑んだ目で見なかったから……
でもやっぱりアイツ等は許せない。だから困らせてやろう、ってね。
あたいがワルになれば親の評判も落ちるだろうと思って片っ端から喧嘩売ってたなぁ……万引きは目立たないし罪悪感がパないからすぐ止めたけど。
自首してもザビエル財閥ってだけで放免されるんだからやってられないよ。本当に揉み消しだけは上手い親さ」

「最初フランちゃんが傷だらけでやってきた時は心臓止まるかと思ったよ」

「でも喧嘩を止めろとは言わなかったよね」

「若い内にしか出来ない事ってあるからねぇ。
でもねフランちゃん、あの子の親として言わせて貰うけど……本当はあれで優しい子だよ。
フランちゃんの事を嫌ってなんかいないよ」

「あたいが嫌いなのさ。今ん所、親の有り難みも分からないし。
友達とワイワイ出来てたら今はそれで良いや」

「友達といえば……テンちゃんとは仲直りした?
この前喧嘩したって言ってたけど」

「あー、うん、仲直りはしたよ。誤解も解けたし」


正確には、奴隷の一人であるテンが『フラン様が最近構ってくれない』と拗ねた挙句、夜這いをかまそうとしてフランに説教されただけなのだが……お婆ちゃんに皆まで言う必要は無いとフランは判断した。
しかし何処か焦りがあるのか、今度は彼女の方から話を切り出す。


「そういえばさ、ついこないだ懐かしい顔に会ったよ。
と言っても1年ちょっとしか経ってないんだけどさ。
リッツってんだけどさ、前にも話したでしょ?」

「あぁ、フランちゃんをフった。
あの日は家に来て泣きっ放しだったねぇ……まさか転校までするとは思わなかったけど」

「それは忘れてってば……まぁ、とにかくリッツと会ったんだ。
ウチ等ジグロードがカルディアに喧嘩を売る形でね。
結局負けちまったけど、次やったらあたいが勝つよ!」

「リッツちゃんとは仲直り出来たのかい?」

「どうだろうね……リッツの方は今はもうあんまり気にしてないっぽいけど……
正直分かんないや。リッツとは上手くやれない事もないとは思うけど、こればっかりはね……
ゲーリーやグラディアスは普通にカルディアの連中と仲良くやってるみたいだけど」

「その皆とはどうなの?」

「相変わらずさ。グラディアスは毎度頭が切れて大仰な動作で足をぶつけてる。
ゲーリーは馬鹿でトロくて……でも頼りなるよ。
ジャグラスも相変わらずさ。アイツはちょっと変われよと思うけどね」

「ジャグラス君もあれはあれで良い子なんだけどねぇ」

「ハッ! 冗談」


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