カルディア学園

□図書室に巣くう混沌
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「えぇと……友人曰く、幼い子供を手籠にしてSMプレイをかますロリコンドS野郎との事ですが……」

「何故貴女がこの噂の真偽を知りたいのか理解に苦しみますが……概ね事実と言えるでしょう」

「そんな……!?」

「但し事実とは違う部分もあります。
ドSの変態というのは間違いありませんが、御相手は彼と同い年……貴女よりも年上です」

「あ、え、そうなんですか?」

「もっとも、彼女さんは見た目と性格が子供っぽいので知らない人が見ても誤解も仕方ない所ではありますが」

「そんなにですか?」

「そんなにです。油断すると保護欲を掻き立てられるので御注意を」

「はぁ……では最後にもう一つだけ良いですか?」

「何でしょう」

「クライドさんが…その……マフィアと繋がりがあるとか……」

「……それに関しては私も分かりかねます。ただ服装の事を言っているのであれば、あれはただ単に趣味だそうです。
マジシャンでもあるので仕事服でもありますが」

「そうですか……ありがとうございました」

「……貴女が何をするのか、それは貴女の自由です。
ですがルールに反する者は見過ごせては置けません」

「……はい」

「もし貴女がクライドさんに関して困り事があるなら、自分で何とかしようとせず、私達に相談する事をオススメします」

「はい……」

「では私はこれで。リッツが何か騒ぎを起こしていないか見回りに行ってきますので」


そう言うと、エレナはカツカツと音を立てて歩き去ってゆく。


「……リッツてスケ番だよね? エレナさん大変そうだなぁ……」








三日後


「よし、よし! 勇気を振り絞れキーン!」

「まぁ、ジェラルド・クライドと比べたら可愛い輩だから止めはしないけどさ。
でもやっぱり関わらない方が良いと思うよ?」

「駄目! あの人達はクライドさんよりも質が悪いんだから」


二人の視線の先には3人の女子高生。
いずれも腕章から二年生である事が分かる。
彼女達は飲食厳禁なこの図書室で、堂々と菓子とジュースを持ち込み大声で騒いでいる。
以前にもキーンが注意した事がある為、禁止されている事は知っているハズなのだが……


「あ、あの!」


キーンは震えながら呼び掛けるも、完全なる無視。


「あのっ!!」


二回目は少し大きい声で。


「んだよ、うっせーなさっきから!」

「ひぃッ!?」


三人の無法者はイラっときたのか、不機嫌顔でキーンを取り囲む。


「アンタなんなの? ちょっとさっきからウザいんだけど」

「や、あの、図書室では御静かに……飲食も禁止……です」

「はぁ? 何でアンタなんかにそんな事言われなきゃなんないの?
大体1年のくせしてアタシ等に逆らって良いと思ってんの?」

「で、でも規則が……」

「良ーい? アタシ等はリッツさんのお世話になってんだ。
学校なんかじゃなくて女子全体のルールを取り仕切ってるリッツさんにな!
アタシ等に歯向かうって事はリッツさんに歯向かうって事と同じなんだよ!!」


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