カルディア学園

□剛の璧
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「どっせえぇぇぇぇぇぇぇい!!」


ダドはジェラルドの上着、そして腰のベルトを掴むと、そのまま彼を掲げ上げ……硬いアスファルトへと叩き付けた。


「が……ッ!」

「ゼロッ!?」


息を詰まらせるジェラルドの耳に飛び込んで来たのはアリソンの悲鳴。
目に映るのは足を高く上げたダド・クバラトフ。
ダドはその高く上げた足を一瞬宙に止め……そして勢い良く振り下ろした。


「ゼロぉ!」


アリソンはセシルに抑え付けられながら、必死に呼び掛ける。
しかし"声"でダドの足を止める事は叶わず、その太く逞しい足は絶大な破壊力を持って黒いアスファルトに叩き付けられた。


「ぅ、あ……?」

「ん? おぉ、すまんすまん。驚かせてしもうたか。
今のは四股と言って……まぁ、簡単に言えば決めポーズじゃ。
ジェラルドを攻撃するつもりは無いわい」

「ふにゅう……」

「わ、ちょッ!?」


アリソンか気が抜けた様にセシルに凭れ掛かる。


「ぐ……」


それと入れ替わりに動いたのはジェラルド。
彼はゆっくりと……しかし自力で立ち上がる。


「今ので立つとは……オメーさんやっぱり不死身か?」

「お前がどんな噂を聞いてきたのかは知らんが俺は不死身じゃない。
それより何故あの時追討ちしなかった?」

「ワシ等がやってるスポーツは相手を倒したら勝ちなんでな。
倒れてる相手に追討ちするルールは無い」

「そうか……」

「そんな事よりオメーさん、早いとこ病院行った方が良いぞ?」

「そうだな……いや、面倒だからまずはラックか」

「おぉ、ラックにゃワシ等も時々世話になってる。
影が薄いのに本当に良く頑張ってる」


そこでダドは豪快に大笑い。
ジェラルドは特に反応せず、アリソンは彼を怪我させられて不機嫌顔。
そしてダドの言葉に苦笑するセシル。

そんな中……彼等に声を掛ける男が居た。


「あー、やっと見付けた! 探したよ〜」


気の抜ける様な語り口で話すのは金髪金目が特徴的で、中性的な顔立ち男の男。


「帰れ」

「開口一番にッ!? いやいや、オレは君に用があるのさぁ〜
そしてこの場にダドも居るっていう好都合。
えっとさ、この前君ん家で格ゲーやってそのまま置いてきちゃったっぽいんだよねぇ〜」

「……あぁ、あれか」

「そうそう、あれあれ。オレが女性キャラで実力者に勝ったらそのキャラのコスプレをしてくれるってミウと約束したのさぁ〜
だから君をサンドバッグに練習したんだ。
お陰で手応え掴んだからもっかい勝負してよ、ダド」

「それは構わんが……なんじゃ、ジェラルドもあれをやるのか? だったら今度バルダやベルガも呼んで大会開くかぁ?」

「おぉ、楽しそうだから賛成! ジェラルドはどうする?」

「飯は?」

「バルダやガランテが来るなら美味しいじゃない?」

「……なら行くか」

「決まり! じゃあ、ジェラルドの怪我がそこそこ治ったら集合掛けるから〜」




一週間後


《KO!!》


『ジェラルド弱ッ!?』

「……………」


END
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