カルディア学園

□リッツとラピスの大喧嘩
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「もう嫌だー! リッツなんて嫌い!」

「ラ、ラピス!? 待って、これにはワケがはぁッ!?」





某・プレハブ小屋

女子ヤンキーの集い場


「うぅ……うわぁーーー! もうダメだぁーーーーーー!!」

「……貴女はいきなり何を言っているのですか? スケ番殿」

「あぁ、エレナ……あたしはスケ番を降りるわ。
次は副番の貴女がスケ番になるのよ……」

「取り敢えず状況を説明して下さい」

「うぅ………」


リッツは今朝起こった出来事を終始ぐずりながら話した。
エレナは相当に聴き辛い事だろう。


「なるほど、状況を整理すると……
1 三日前、後輩とのキスシーンをラピスさんに目撃された。
2 それをラピスさんに問詰められたリッツはもうしないと約束した。
3 しかし昨夜、今度は別の後輩とのキスシーンを目撃された。
4 そして今朝、リッツに問い質したラピスさんはとうとう愛想を尽かせてリッツをスタンガンで痺れさせた後に姿を消した……と。
結論から言わせて貰いますと全て貴女の自業自得ですね。
救いようがありません、諦めて下さい」

「グハッ……!!!」


リッツに何かが突き刺さり……ガックリとうなだれる。


「しかし貴女にスケ番を辞められても困るのでラピスさんとの仲を直すのに協力しましょう」

「あ、ありがとう……!」

「ではまず……事の始まりから終わりまで全て貴女が悪い。
何故、約束したにも関わらず後輩とキスを?」

「しょうがないじゃない!
女の子の柔らかい唇の魅力は抗い難いのよ!!
まるで禁断症状を起こした薬中みたいに、ね」

「例えが最低ですね、流石おバカのリッツ様。
貴女のお陰で私の姉が築いた『スケ番は文武両道』というイメージがドンドン改変されて行きます」

「あっれ、アンタ協力するとか言っておいてあたしを貶めてない?」

「何をおっしゃいます。私は貴女を敬っておりますよ?
その証拠に"様"付けしたではありませんか」

「アンタが"様"付けすると人を小バカにしてる風にしか見えないんだけど?」

「よく分りましたね、御名答です。
人の気持ちを察せるなら、ラピスさんの時にそうするべきでしたね」

「……アンタはあたしの事が嫌いなの?」

「まさか、嫌いな人に冗談は言いませんよ」

「アンタのは冗談に聞こえない上に、必要以上に心を抉るのよ……で、どうすれば良いの?」

「どうすれば……と言われましても、原因はリッツにあります。
取り敢えずラピスさんに会って謝るしか無いですね。
地べたに頭擦り付けて誠心誠意謝って下さい」

「そのラピスの居場所が分からないのよ。
あたしの家を出て行っちゃったし……」

「だったら話しは簡単です。この学園に居るじゃないですか。
大抵の事を知っていて、お金と引き換えに情報を売ってくれる便利な外道王子が」

「アイツかぁ……」

「今のリッツになりふり構う資格はありません。サッサと行きますよ」

「うぅ………」


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