最近周りでは彼氏持ちが増えてきた。
彼氏ができた子はみんな幸せそうに、今まで仲の良かった女の子から離れていく。
そんなに彼氏が大切か!なんて内心思いつつも、そんな事実は知らんぷりでそんな子達が話しかけてきたときは前と同じように対応し、彼氏とのいざこざが有ったときは相談に乗る。
それが私のポジション。


「これってどう思うよ、忍足君。」


で、現在私が相談しているのがやたらモテるのに何故か彼女が居ない忍足君。
彼とは1年の時に知り合って以来、いい友達である。

「どうって言われてもな〜」

と言いながら男前な顔で苦笑する。
全く…サマになりすぎていてムカつく。
その時、

「お〜い、ゆ〜し〜。」

と教室の前から大きな呼び声が聞こえた、と思ったら

「ってなんだよ、名前も居たのか。クソクソ!侑士だけ狡いぞ!」

一瞬のうちに私と忍足君がだべっている机までやって来た。

「やぁ、がっくん。久しぶり。」

何が狡いのかは分からないがとりあえず私は彼に挨拶をした。
すると彼は可愛らしい(言ったら怒られるんだけど)顔を笑顔で一杯にして、おう!と答えてくれた。
それを面白くなさそうに見ていた忍足君は
「んで、岳人。何かようでもあるん?」

とがっくんに尋ねた。
がっくんはその言葉で本来の用事を思い出したようで

「あ、そうだった!跡部が今日の部活はミーティングだから遅れるなだってよ。」

と言い、じゃあ俺次は宍戸に言いにいかなきゃいけないから〜と言って教室から出ていった。
その様子に

「嵐が去った感じ…」

そうコメントすると、ブッと珍しく忍足君が吹き出した。

「ムッ…話を戻すけど忍足君、私のポジションについての見解を述べよ。」

そう言うと、息を整えて

「せやな〜…とりあえず自分、好きな奴はおらんの?」

そう尋ねてきた。

「は?居ないよ。」

私があっけらかんとそう言うと、ふーんという何とも微妙な態度をとる彼。


「そう言う忍足君はいるの?好きな人。」


少しイラッとした私が冗談半分でそう尋ねると、



-俺はおるで、好きな奴-



と彼は真面目な返事をした。





(え゛…まじですか?)
(うん、まじや。)
(じゃあ私と二人で話すのってまずくないですか?)
(気にせんでもええで〜)
(いや、普通に気にするから!)






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お題は確かに恋だった様からお借りしました。
話は続く予定です。





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