アサガオ

□恋の病。(ベタですまん。)
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午後3時。俗に言うおやつの時間。
ウチはこの時間にいつも休憩を取る。
緑茶の用意して、あ、今日のお茶菓子は前に正一からもらったヨウカンにしよう。


「すっぱなー。お邪魔しまーす。」


あ、今日も来た。
なんでコイツは飽きずに毎日ここに来るのかな。


「…心底嫌そうな顔しないでくれ。すっげー傷付く。」


ん?あれ、ウチ嫌な顔してた?
なんでだろう。コイツが来ると、何故だか落ち着くって言うかなんていうか。
とにかく嫌ではない。


「お。今日のお茶菓子、羊羹?私も食べて良いー?」

「…駄目って言っても、アンタ食うんだろ。」


うん、コイツいつもそうなんだ。
何故かウチのおやつ時を狙っていつも来る。あれ、これ計算してるよね?
もう何ヶ月も毎日来るもんだから、ウチも知らずのうちにコイツのお茶菓子も用意するようになった。
ああ、そんな嬉しそうに笑うなよ。なんか胸が痛くなってきた。
ウチ、やっぱ病気かも。



最近になって自分の異変に気付いたんだ。
なんか、アンタ見てるだけで胸が苦しくなる。
アンタを独り占めしたいって思うようになる。
アンタを抱き締めたいって思うようになる。
ウチ、機械じゃないから胸が痛いって分かってても治せない。
治す術が分からない。
ねぇ、アンタなら分かるのかな。
治してくれるのかな。




お茶菓子を美味しそうに食べて、さも当たり前のようにお代わり頼むアンタ。
なんなんだよ。
緑茶を飲んで、「やっぱスパナの淹れる緑茶うめー。」なんて微笑むなよ。
本当、なんなの。
そんで極めつけはウチの肩を叩いて「今日もお疲れ様。」だなんて…。
あ、また胸が痛む。






「ねぇ。」

「ん?なーに。」

「ウチ、病気かも。」

「え、どっか悪いの?」

「たぶん、アンタのせい。」

「は?」

「なんかね、アンタ見てると胸がムカムカすんの。」

「え、私嫌われてる?」

「間違えた。胸がもやもやする。」

「どう間違えるんだよ。」

「なんか、」



「アンタがここに来ると安心して、アンタが帰ると胸が苦しくなって、痛くなる。」

「そんで、アンタが他の男と話してるの見るだけで胸がムカムカして、苛つく。でも、それと同じで胸が痛くなる。」

「でも、アンタの笑顔見るだけでまた安心する。」

「でも、」

「アンタの笑顔見る度に今度は不安になる。苦しくなる。アンタを独り占めしたくて、抱き締めたくて離したくなくなる。」

「これ、なんて病気だろ。」




今までこんな気持ちになることなかった。
今までこんな苦しくなることなかった。
今までこんな嬉しくなることなかった。
今までこんな悲しくなることなかった。
今までこんな愛しくなることなかった。
今までこんな愛しくなることなかった。
今までこんな愛しくなることなかった。
今までこんな愛しくなることなかった。




今までこんなしくなることなかった。







「スパナ。」

「ん?」

「たぶん、私もスパナと同じ病気にかかってる。」











(ベタですまん。)
(相手は勿論アナタ!)




END!

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