アサガオ

□窓の光が反射して、キラキラと
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すぐ後ろの扉の向こうではきみが泣いている
僕が最近まで愛してた、きみ
初めて思ったんだ(自分から抱き締めてやりたいとか)(今ならまだ間に合うとか)
でも、僕は何もしなかった
何も出来なかった
ただ、後ろのすすり泣く声に耳を傾けて、宙を仰いだ(途中から草壁がきて仕事です、って言われてすぐ終わったけど)





それからきみは学校を4日も休んだ(まったく、風紀委員の許可も無しに)
きみのクラスに聞きに言っても、情報は入ってこなかった
もしかして僕が原因?僕が振ったから?(バカバカしい、そんなのもっともな理由じゃないじゃないか!)


そして、5日目の朝、やっときみがきた(応接室の窓から密かに見ていたなんて、知られたくないな)
久し振りに見たきみは酷くやつれていた
あの綺麗な大きな目の下には濃い隈があって、僕がいつも口付けていた唇はカサカサに荒れていた
僕は見ていられなくなって、窓から離れた


別に後悔なんてしていない
きみの事が鬱陶しかったのは本当だし、
そもそももう愛してなんかいないんだ






じゃぁ、何故?








何故こんなにも胸が苦しいのだろうか?
まるで湿ったロープで心臓を巻かれているような(こんな感覚初めてだ!)
とても苦しい気持ちになる
まったく、不愉快だ
今日は仕事をサボって屋上で昼寝することにした
窓の光が反射して煩わしかったから、っていう理由付きで










(もうぼくはこのさきだれかをあいすことなんてないだろうな)
(だってきみをあいしていたから)







END..?

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