アサガオ
□窓の光が反射して、キラキラと
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あの日僕は君を振った
理由も何も、ただ単に飽きただけ
鬱陶しいっていうのも、嘘じゃないしね
頼んでも無いのに、毎日昼休みには応接室にわざわざ弁当を持ってくるし(そもそも、弁当なら草壁が作ってくれる)
あの日だって、僕は忙しかったのに、君はしつこくメールや電話をかけてくるし
さすがの僕でもあれには呆れたよ
それと同時に、君が要らなくなった
「きみなんて、もう愛しちゃいないんだ」
自分でも信じられないくらい、冷たい声を出していたと思う
きみは普段でも大きめな目をさらに大きくして僕を見た
こういう時、ドラマとかだったらバカ、とか言って僕を平手打ちしただろう
でも、きみは違かった
ただ俯いて、流れる涙を擦りながら、声を押し殺して泣いていた
僕は思わずきみを抱き締めそうになった(何故?もうきみなんか愛しちゃいないのに?)
(ほんの少しだけど)出た手を引っ込めて僕は立ち上がって言った
「きみが泣いている間は僕は席を外すけど
泣き終わったら、出てってね」
本当はそのまま応接室を後にして、屋上に行って昼寝をしようかと思ったんだ
だって、きみがいる応接室にいる理由も無いしね
でも、どうしてだろう
なんで、僕の足はここから動かないんだろう