アサガオ
□××に境界線はないのだろうけど、私はせめて愛する人としたい。
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「あんたさぁ、機械弄る暇があったら私を弄れよ。」
「何ソレ。」
「ばかやろう、遠回しに誘ってるんだ。」
「自分で言うな。ばか。」
「バカでいい。弄ってくれなくてもいい。代わりにこけし作れ。」
「コケシ?」
「バイブ。大人の玩具。女のマンコにいれるやつ。」
「…はしたない。」
「仕方ないだろ。」
「ジャッポーネの女はもっとお淑やかだと思ってた。」
「大和撫子?夢見るのも良いけど、現実見ろよ。」
「…。」
「無視するな。飴じゃなくて、私のマンコ舐めろ。」
「…。」
「無視するな。モスカじゃなくて、私を触れ。」
「…なんなの。」
「これだけ言っても分からない?」
「欲求不満で我慢の限界が近いことは分かる。」
「プラス、スパナとセックスしたい。」
「…ウチじゃなくても良くない?」
「何言ってんの。私の彼氏はスパナだ。」
「今までの会話振り返ると、あんたもう誰でも良さそう。」
「そりゃーさぁ、セックスなんかよりオナニーの方が気持ちいいよ?自分で調節できるしね。ぶっちゃけセックスでイった事なんかあんまねーし。」
「…じゃあ、一人でやれば。」
「分かってないなー。」
「何が。」
「好きな人に触れてもらいたいって思うのは、変なことか?」
「…。」
「なんていうかなー、セックスでイくのってもうオマケなんだよ。オマケ。」
「どういうこと?」
「好きな人に触ってもらえるだけで幸せなわけ。ていうかさー私すげー淫乱で誰とでも寝るような女に見えるかもしれないけど、結構固いよ?セックスは確かに好き。だけど、それは好きな人との共同作業だから。だから売春で性的欲求満たしたり、欲求不満になったからって友達とヤるなんて無理だね。分かる?」
「それは確かにね。」
「でしょ?前の彼氏だってさ、あ、遠距離だったんだけどね?溜まったからって自分の親友の女に手ぇ出してんの。もーふざけんなって感じ。でさ、こっちが切れて別れ切り出したらなんて言ったと思う?」
「さぁ。」
「「俺も自分が許せない。本当に悪いと思ってる。だからやり直してくれ。」だって。ほんと爆笑しちゃった。何が悪いと思ってるだっつーの。だったら最初からしてんじゃねーよ!」
「何怒ってるの。」
「そりゃ怒りたくもなる!あー思い出したら本当腹立ってきた。呪い殺したいわ。」
「…腐ってもマフィアなんだから、暗殺すれば?」
「そういう問題じゃねー。ま、とにかく私は本当に好きな人としかセックスはしたくないわけ。そりゃ、人間だし性欲は溜まるよ?そんときは自分で処理してるけど、」
「スパナ?」
「ウチもシたくなった。」
「…私、なんかまずった?」
「なんで?」
「スパナ、目が怖い。」
「気にしないで。ただ、今日はもう寝かせないから。」
「寝かせないって…まだ7時だぜ?」
「どうでもいい。」
「スパナ。」
「何。」
「今わたしが愛してるのは、スパナだよ。」
「知ってる。」
「愛してる。」
「ウチも。」
セックスに境界線はないのだろうけど、私はせめて愛する人としたい。
(あんたの口から他の男の話が出るのが許せなかった。)
(大丈夫、それより愛してやるから。)
END.