銀沖銀高中心短編
□桜の木の下で逢いましょう
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ベンチに座り、なんとなく酒を飲んで桜を眺めた。
…うちに帰りたくないような帰りたいような。
…あいつ、今どうしてるかな?。
「…晋助。」
晋助とは幼なじみで初恋同士、俺は大好きだった。
…なのに。
「…はあ。」
ため息をついてベンチに転がる。
別れたのは俺の心変わり、晋助はそんな俺の心変わりを敏感に感じ取り、高校卒業と同時に俺の前から消えた。
「…晋助。」
…俺がそんな過去を振り返っていると。
携帯がヤキモチを焼いた。
画面を見ると…。
『銀!、どこで道草食ってんだよ!、早く帰ってこい。』
出た途端馬鹿でかい声、俺は慌てて耳を離した。
「…十『早く帰ってこい、じゃないと締め出すからな!。』
容赦なしとはこのことだ、俺ははいはいと言い、携帯を切った。
…付き合いが長くなると新鮮味がかけてくる。
…十四郎は晋助の後釜、つまりはこいつに惹かれて晋助と別れたのだ。