銀沖銀高中心短編

□姫君の願い事
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銀さん愛されてんなあとか言っていたら多串君はなにやらご機嫌が悪くなったらしい。         


「誕生日が嬉しいかよ、ただ歳をとるだけじゃねえか。」          


こいつ解ってないね。  


「誕生日に愛する恋人に祝ってもらうてのがいいんだよ、生まれた日にあの子と過ごせるなんてサイコーじゃん!、まあ、モテモテな副長さんにはわからねえか。」          


「も、もててなんかねえ、好きな奴に思ってもらえないならそんなの意味ねぇ。」           


「多串君も辛い恋をしてんだな、大丈夫!、おめえ格好いいからたいてえの女なら落ちるから!、まあ、頑張れや、じゃあ、俺行くな!。」         


誉めたことなんかない喧嘩ばかりの野郎があんまりにも小さく見えたから柄にもなく慰めてしまった、まあ、根は悪い奴じゃないだろうからな。       


「…たいてえの女なら落ちるから、か。…じゃあ、女じゃなかったらどうすりゃいんだよ。」      


小さくなる万事屋の背中に誕生日おめでとうと呟いた。           
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