銀沖銀高中心短編
□貴方しか欲しくない
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河上がそう笑っていると再び襖が開いて。
「…ありがとうな。」
耳まで真っ赤になって高杉は河上に告げた。
…再び襖が閉まると河上は。
「…白夜叉効果は絶大でござるな。」
河上はそう呟くとほくそ笑んだ。
…河上から貰った切符で高杉は江戸に向かう。
「…銀時。」
…江戸には銀時がいる。
『…町、歌舞伎町。』
歌舞伎町、銀時がいる町。
俺は駅を出ると亰より暑い日差しにくらりとした。
…江戸は賑やかだった。
黒い隊服も目立つ、俺はばれないように笠を目深に被った。
「騒がしい町だな。」
…銀時は賑やかなのが昔から好きだった。
俺は静かな亰のほうがあっている。
「…んで、こんなとこ。」
暑くて煩くて俺にはちっともいいとこだと思えない。
…けど、ここにいる理由。