銀沖銀高中心短編
□土砂降りの逢瀬
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「はーい、はい、どちらさんですか?。」
玄関を開けてすぐに俺は立ちすくんだ。
派手な着流し、ニヒルな口元、真っ白な肌。
「よぉ。」
「た、かす…。」
「…さみいんだけど、中入っていいか?。」
俺は思わずたか、晋助を抱き締めていた。
逢いたくて、逢いたくてでも、逢えなかった、晋助が目の前にいる。
「晋助…。」
「ふっ、そんなにてめえは俺に逢いたかったのかよ、銀時。」
「逢いたかったよ。」
素直に自分の気持ちを真剣に晋助に伝えた。
ごまかすなんてできなかった。
「俺もだ…。」
晋助は小さく呟くように言った。
俺は晋助の肩を抱きながらリビングに通した。
「酒とつまみでも用意するから待っててな。」
俺は台所でケーキ作りをやめて簡単なつまみと熱燗を用意してリビングに戻った。
あやうく、熱燗をぶちまけるとこだった。