銀沖銀高中心短編
□土砂降りの逢瀬
2ページ/8ページ
だって今、彼はいないから…。
もう、あの頃の俺もおまえもいない…。
「銀さん、雨振ってきたから僕帰りますね。」
「銀ちゃーん、私新八の家にお泊りしてくるアル、サダハルよろしくな。」
仲良く手を繋ぎ出ていく新八と神楽、てか、清く正しい交際をしないと…なんて俺に言われたくないか。
「…雨か。」
外を見ると真っ暗な空から雨が降り続いている。
なんか気が滅入る…。
俺はしっかりと窓を閉めてカーテンを閉めた、雨の音をできるだけ遮断するように。
「…飯でも作るか。」
気が滅入るときは甘い物、ケーキでも作るかな。
台所に向かおうとした俺を。
ピンポーン…。
「客?。」
俺はできれば無視したかった、でも悲しいかな、仕事の依頼を選んでられる状態ではなくて…。
俺は仕方なく玄関を開けた。