銀沖銀高中心短編

□恋せよ乙女
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私の瞳からは涙がいつしか流れていた。

銀ちゃんの結婚にショックを受けて泣いていた私を受けとめてくれた新八はいない、涙をふいてくれた優しい人はいないんだ。

「ふぃ、新八、新八。」

涙が止まらない、あの時より止まらないよ。

「神楽ちゃん。」

嘘だ、なんで…。

「な、なんでいるアルよ、デートはどうしたね。」

強がる私、やっぱり可愛くない。

「うん、伝えてきたよ、僕はお通ちゃんの歌がだいすきだよってね。」

歌?。

私は振り向いた、顔は涙でぐちゃぐちゃだったけど。

「歌だけアルか?。」

「…僕は手が掛かる女の子が好きなんだよね、特に。」

新八が私の頭にぽんっと手をおいた。

「僕がいなくて泣いちゃうような子がね、僕はだいすきなんだ。」

太陽のようににっこり笑う新八に私は林檎のように真っ赤になる。

「う、うぬぼれんじゃねえよ、誰が泣いてなんか…。」

うう、素直になれないアル。

そんな私を新八は分かってくれる、だから言葉なんかいらない。

私はそっと新八の手を握った。

終わり 後書き
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