銀沖銀高中心短編
□許されない思い
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『あれは俺のだから、手ぇ出すんじゃねえよ。』
にやりと笑った我が長は。
『許されない思い』
拙者は始めから叶わぬ恋に堕ちてしまった。
自室に帰ると拙者は床をひくのもおっくうで畳にごろりと横になった。
…疲れた。
晋助のあんな表情みたのは初めてだった。
泣き出しそうな悲しい瞳とそれとは裏腹な強気な言葉。
すべてを形作るのは白夜叉坂田銀時への思い。
我が長、高杉晋助の惹かれ続けるただ一人の人。
…瞼を閉じると先程刀を交わした男が浮かぶ。
「河上、出掛けて来る。」
襖越しにそう告げられた。
「…どこにいく?。」
襖越しに問い掛けた。
「…野暮なこと言うようになったな。」
くくっと笑い声が聞こえて消えた。
いたたまれなくなり襖を開けた。
「…しん!。」
…追い掛けてどうしようと言うのだ。