Silver Soul+
□はれのちあめ
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「……はァ…」
聞こえてくるやりとりに俺は柄にもなく嘆息する。これでも仕事中だ。
つかマジうるせェよ、死ねこのヤロー。
ちょっと大きい声でうるせーとか言ってみるけど勿論奴らには聞こえやしない。それがまた更にウザイ。
しかも、向こうの声は何故かよく聞こえてくるからシカトしたいのに耳に入ってきやがるからどうしようもねぇと来た。
『おい、お前口元にタレ付いてる』
『え、うっそどこ』
『ここ』
『んっ…ちょ、バカてめっ…舐めんなよ』
『ああ、悪ィな、可愛かったからつい』
『…うっせーバカ…』
…………
……うぜェ。
果てしなくうぜェやり取りじゃねーか。
何でィ、どっから来やがるんだこの甘さは。
『なあなあ、土方〜』
『…ちょっおま、いきなり後ろから抱きつくなって…』
『んーつまんなーい』
『待ってろって、この書類だけ残ってたんだ、早く終わらせねェと』
『今日非番だろー、俺と書類どっちが大事な訳ー?』
『ガキかテメェ…ったく、しょーがねェ奴…』
……………………
……死ね、頼むからいっぺん死ね。
もうどこまでもうぜェよこのバカップル。甘いどころじゃねェ。
ガムシロップそのままコップ一杯飲むくれェの暴挙じゃねーか。
「呪い殺せねーかねィ…」
いつも土方コノヤローに使ってるワラ人形が頭に浮かんだが面倒臭ェからやめた。
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