Silver Soul+
□キミと見た初雪
1ページ/7ページ
神楽のような子供はとっくに寝た夜も遅い時間。
万事屋には久方ぶりに大人二人の姿があった。
「ね!ちょ、大串くん!ちょっと見てみィよ!」
外!外!と窓を指して、
銀時は、煙草を燻らす土方に呼びかけた。
「んだよ、どーした」
「だから、見て外!凄くね?」
面倒臭そうな土方なんてお構いなしに銀時が急かすもんだから、土方は半ばしょうがない、といった風に言われるまま窓の外を見た。
「確かにすげェ」
半分にしか開かれていなかった目は、
外の光景を映すなり、少しだけ大きく見開かれる。
「やっと降ったよ」
「そうだな」
あんまり銀時が嬉しそうな顔で言うもんだから、土方もつられて微笑して答えた。
「いやさー神楽が楽しみにしてたっつーか、煩くてよ」
『銀ちゃん、今年は雪降らないアルか?私雪見たいアル、降らしてよ、銀ちゃん』
その時は、無理に決まってんだろと返したけれど、なかなかどうして、幼く無邪気な少女は静かにならなくて。
「ったく、雪ぐらいでいちいちさァ」
ガキだよねェ、と
ため息混じりに言う銀時の顔はしっかり笑顔なのだった。
.