Silver Soul+

□はれのちあめ
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そしてどれくらいが経っただろうか。

しばらくそんなやりとりが続いた事で俺は完全にやる気を無くした。まあやる気なんて元々そんなにあった訳じゃないが。
とりあえず一眠りしたい。



机に置いてあるアイマスクに手を伸ばす。
と、その時、旦那のうわっ、という小さい声が聞こえた。

続けてどさっと倒れ込む音。

待ってだの止めろだの言ってる割には甘い声もしっかり聞こえてくる。
こんな真っ昼間から事に及ぶらしい。良い歳をした野郎二人が盛りやがって。
声を潜めていても、もともと壁が薄いせいで僅かな声も俺の元まで届く。


「…何でィ」

いくらなんでもそれは聞きたくねェ。
というかいい近所迷惑でィ。

本当は、普段からイチャイチャしてるのだって目障りでしょうがねェんだ。あいつの隣に旦那が居る事も、土方が嬉しそうに旦那の話をする事ですら、俺は苦しくて仕方がねェってーのに。


「死ね土方…コノヤロー…」

呟く自分すら哀しい。

ああ畜生、旦那が羨ましい。
あの野郎に想われている事も、あの野郎を堂々と好きで居られる事も、全部。


俺の方がずっと
ずっと長く土方のヤローの傍に居るのに。
小さい時から見てきたのに。


「同じじゃねェかィ」


奴が姉上を、掻っ攫って行ったように。
旦那も土方を、掻っ攫って行きやがった。
否、俺が置いて行かれただけなのかもしれねェが。
認めてやらない。悔しいから。


土方のヤローが好きだなんて、悔しいから。




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