Mihasi*Abe

□新婚のお約束
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ピンポーン

「はい、はーい」

ガチャ

「よう! 三橋、お帰り」
「ただい ま」
「仕事、どうだった? うまくいったか?」
「うん! うまくいったし、阿部君が行きと帰りの乗り物もちゃんと調べてくれたから、時間通り、移動、できた」
「そっか、よかったな! 明日は休みだろ? 今日はゆっくりしような」
「うんっ」
「じゃあさ、三橋、このあとどうする? 飯にする? 風呂にする?」
「えっ?」
「それとも…寝ちゃう?」
「ええっ!?」
「どれにする?」
「あ、あのっ……」
「うん?」
「ねっ…ねっ…」
「寝る?」
「うん!!」
「わかった。もう用意はできてんだ」
「おっ…! おお!!」
「なんだよ、そんなに感動した顔して。オレ、一応お前の伴侶だかんさ。お前が快適に過ごせるようにいろいろしたいとは思ってるんだよ」
「す、ごい!! オレっ、結婚してっ、よかっ」
「あー、もうわかったから。ほら、鞄よこせよ」
「でも…お もい から」
「いいから。こんくらいオレだって持てるっての」
「う……」
「ほい。それからスーツ脱いじゃいな。ハンガーにかけっから」
「ん…」

ヌギヌギ……

(久しぶりの 我が家、だ。 阿部君が ここで オレのこと 待ってて くれ た。 …あ、もう結婚したから、阿部じゃなくて 三橋 隆也 だ)

「ほら、スーツ渡して」
「あり がと」
「じゃあ、寝る部屋いくか。夕食はどうする? 7時頃、一回、起こしにこようか?」
「うん。お願い します」

(……あれ?)

「アベく…」
「ん?」
「あ! じゃなかった、  …タカ ヤ 君」
「なに?」
「オレっ と  一緒の布団…入るんじゃ…」
「は?」
(ドキー!!)「えっと…だって…いま、そう いって…」
「なにが?」
「だからっ オレと…一緒に……寝て くれる て」
「誰が!? いつ? どこで??」
(ドキドキドキッ)「い だ。 アベく…じゃなかっ タカ 君  イヤ なら…」
「いや、嫌とかそんなことはいってねえけど。いつオレがそんなこといったと思ったのかって聞いてんの」
「え……と さっき オレ に 食事にするか、お風呂にするか…寝るかって…」
「うん、それはいったけど…」
「寝る…って」
「んー………。 ああ!!??」
(ビクーッ!!!)「こ、声 おっき」
「はああああ!? なにそれ? 確かにいったけど、どうしてそう連想するんだよ!!」
「だ  っ  て  」
「オイ、なにフラフラしてんだよ?」
「アベく…タ カヤく オレの 奥さん だから」
「だからって、出張帰りの相手つかまえて、玄関でそんなこと聞くのかよ、フツー」
「あっ ある よ」
「なにが?」
「そういうのっ」
「…………玄関で?」
「玄関っていうか そういう 聞き…方」
「はあ…。お前、なんかヤラシイものみてきたんじゃないだろうな?」
「ちっ がう よ! よく聞くセリフ だよ!」
「どんなもので? マンガ? アニメ? ドラマ?」
「う……。いろいろな ところ で」
「ふーん。ま、いっけど。どうせ、ろくな場面じゃないんだろう。お前って意外とエロいもん好きだから」
「そっそそそそそそそ そんなこと…」
(じいっ)「オレの目ぇみていえんのかよ?」
「そんな…こ…と…………好き…です」
「まったく…オレといっと、食うことかすることばっか」
「だってっ …新 婚」(ウルッ)
「…………ハア…しょーがねーなあ…」
「タ カヤ 君?」
「じゃ、こっちこいよ」
「う? えっ??」


「ほらよ、ちゃーんと用意はしておいたんだからな」
「…キレイに 敷けて ます」
「だろ? お前が疲れて帰ってくるかもしんねーからと思って、今朝は天気もよかったから、朝から布団干してお日様にあてといたんだ。あとこれ、すぐに着替えられるようにパジャマ」
(オレのために…隆也君が……お布団……)「布団 ふたつ あるね」
「それは! ……それは、どうせ寝室一緒だから、自分の分も敷いておいたほうがあとで楽だと思って。…べつにすぐに寝ることなんて考えてなかったよ」
「ごめっ  オレ つい そうだったら いいなって 思った だけ…」
「あー、はいはい。わかったよ」
「あの…」
「んー?」
「そろそろ 寝ま…せんか?」
「…………」
「オレ……ちょっと…もう…」
「…………エロボケ」
「うっ ……い、もん…それ で」
「いっとくけど…あんま、はじめから激しくすんなよ?」
「……うん」
「あとひとつ! ヤってる最中に変なこと聞いてくるのナシな!」
「え…?」
「だからあっ その……オレのこと好きか、とか、どうされるとイイの、とか…」
「う…」
「やらしーんだよ、お前。ついでにオヤジくさいんだよ! そうやっていつも、人がまともに対応できないときに限って恥ずかしいこと聞いてきて」
「…………」
「目ぇそらすな。ごまかそうったって、そうはいかねぇぞ?」
「…だっ て」
「なに?」
「すごく …可愛い から」
「でもヤダっていってんじゃん!!!」
「あの…」

モジモジモジ…

「も、いい?」

モジモジモジ…

「……聞いてた? いまのオレの話」
「あんま…頭 入って こな かた…」
「ハアーーー……。も、いいよ」
「あ、あのっ」
「いーよ。おいで」

トコトコトコ
スリスリスリ

ナデナデ…

ガバッ

ボスンッ

chu chuchu chuchuchuchu…


「あんさ…」

chuchu chu chuuuu

「出張中…」

ccccchuuu

「こら、聞けって。……だか、ら…出張中……寂し かった?」

chu chu chu

「…ん……なあ」

chuchuchu

「三…橋…」

chuuuuchuuuu

「んっっ…… ね… みは…し…」

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旦那さんはいま答えるどころじゃないようです。
後悔はしていないが精神力が(以下略)

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