Haruna*Abe

□榛名さんと僕
1ページ/1ページ

「榛名さーん」
「なに?なんかしっくりこないな。『元希さん』だろ?」
「榛名さぁん」
「やめろって」
「榛名さんの意地悪」
「は?なにその涙目」
「……キス、して」
「……!!」
「榛名さん、お願い」
「だーかーら、今日おまえぜってぇー変だぞ!なんか変な薬でも飲んだんじゃないか?」
「違う…オレ、榛名さんのこと、好きだから…」
「え?」
「好きだから…キスして…一緒に…なって欲しくて」
「隆也……おい、泣くな隆也!ごめ、オレ、そんな風におまえが思ってたなんて知らなくて…なぁ、泣くなよ」
「いいんですよ!どうせ、オレ、男、だし…榛名さんはオレのことなんて、汚いと思ってるんだ…!」
「バカいうな!」
「本当に?…じゃあ、抱いてくれますか?」
「え?」
「きて…」
「え、あ、なぜ仰向け?…わかった、あとから文句いうなよ?隆也、いいか、いくぞ?」









「…フッ…ンアァ…」
「…ッ…隆也!」
「ンッ…」
「タカ…ヤ、オレも…!」
「元希さん………すげー顔」
「は?」
「くっ…あははははは!」
「………」
「すげー、やったぁ、マジキスだよ、信じらんね〜!」
「………」
「なんすか、男なんかじゃそそられないとか、隆也なんてありえないとか散々いっておいてー。涙って有効なんだな。女じゃないから、ダメかと思ってたのに」
「………」
「あ、はい、ハンカチどうぞ。よだれ垂らしてたんじゃ、色男が台なしっすよ」
「……テメェ」
「はい?」
「テメェどこまでが本気だった!!?」
「な、なんですか、怒鳴ったりして」
「うるせぇ、答えろ!」
「どこまで…?え、いや元希さんがひっかかるわけないと思っていたから、最初から…最初から冗談、だったんですけど」







「へえ」








「…やめろ!…さわるな、そこはさわるな!……アア…消え、ろ…変態ノーコン野郎ぉ…」

そして夜は果てしなく


******
すれ違ってるような、そうでもないような二人。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ