Haruna*Abe
□愛とふたりとモノローグ
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side:A
元希さんともだいぶ慣れ始めると
抱きしめられるたびに、 耳元で小さく声を漏らすようになった。
肩のあたりに口づけされれば、唇を少し噛んで眉をひそめる。
鼻の頭を舐められれば、軽く押し返してちょっと下からにらむ。
首を吸われれば、困ったように身じろぎしながら甘い甘い声で鳴く。
そうすれば、元希さんはあっけないくらい夢中になって暴れだす。
チョロいなあ、と思う。
でも、そうやってオレに夢中になってくれるのだから
オレはとても幸せな人なんだろう、と思うんだ。
side:H
隆也はオレに抱きしめられると、すぐに可愛い声をだす。
そんな声だすのはまだ早いだろうって思うくらいすぐに鳴く。
くすぐったがって、オレのこと振りほどくふりして、にらみさえする。
そうやって、 オレと目があうと期待に満ちた顔で頬を赤くさせている。
だからものすごく可愛いな、と思う。
コイツ、どうせオレのことすんごいバカだと思ってるんだろうけど
コイツのどうしようもないしぐさをみていると、愛しくてたまらなくなるから
やっぱりオレはどうしようもなくて、幸せな人間なんだろうな、と思うんだ。