日和

□小ネタログ
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遣隋使

ドンドン
ドンドンドドンッ

「あっ、この音は!」

「太子太子ー、花火大会始まっちゃいましたよ!」
「わかっとるわい、急かすなこのお芋!…トイレに入ったとたんに始まるなんてこのぉ」
「太子ー、大丈夫です、僕が太子の代わりにこの澄みきった瞳でみていますから」
「なにが澄みきっただ、すれきった瞳の間違いだろうが!」
「うわー、すっごーい」
「ぬおぉ、いますぐでてやるからな待ってろよ花火」
「ちゃんとふいてからでてくるんですよ」
「くおおぉ!!」


*****
ロマンチックってなんですか、美味しいんですかもしかして。
これでもじゃれてるつもりの飛鳥組。


細道

「花火だ花火ー」
「そろそろ始まりますよ……と、芭蕉さん、なにをうろうろしているんですか?」
「さっき飲みかけのまま置いておいたビールがないんだよ」
「………」
「ため息をつくなよ!夏といったらビール、花火といったらビールだろう。大人はビール片手に花火大会をみるんだよ。松尾は大人だからね、大人ッスオ」
「ちっ!」


ドドン ドンドン

「わー、始まっちゃった!!ない、ない、松尾のビール!…あっ、あった。ムフフン、これで大人の夏が……」
「……どうしました芭蕉さん?」
「いま腰をおろしたとき間違ってコップ倒しちゃった。そんな〜、これのために花火みるの遅れてまで頑張ったのに!」
「俳聖のくせに情緒というものがないのか!」

パンパン

「トロピカルマンゴー!!!…ひどいよ曽良君、花火の音に紛れて!」
「うるさいですよ芭蕉さん…せっかく二人でみる花火なのに…」
「え?曽良君…」


パンパパン!!

「カルフォルニアブルー!!!」




「……芭蕉さん、やめてくださいよ、いまのは花火の音なのに、まるで僕が手をあげたみたいじゃないですか!」
「え?いまの違うの?」
「違います」



******
バイオレンスラバー細道組。

…こんな感じでいいのかしら?!



天獄

「あ、始まりましたね」
「なにがー、鬼男君?」
「花火大会ですよ、ほら、人間達が祭をやっているんです」
「へえ〜、どれどれ。あれ?なにあれ、冥界の魂の動きそのものじゃない」
「あはは、そうですね。人間達は無意識のうちに己のあの世での姿を感じとっているのかも知れませんね」

「鬼男君」
「はい?」
「キレーだねー」
「はい」
「でも、なんか怖いねー」
「はい」
「なんていうの?コワキレイ?」
「そうですね」


いつかあれをみた人々が、自ら輝くその日まで。


めんそーれ、天国へ



******
いろいろ勝手なことを書いてごめんなさい!

今日、花火をみていて、途中から怖くなってきた。不思議な怖さを感じた、この歳になって初めて。花火の光と煙りはコワキレイだった。


閻魔より鬼男のほうが人間に詳しいってどうよ!と思いつつ。

多くを語らなくても暗黙の了解でわかりあえる。あうんの呼吸の天獄組。
(天国組って表示するのとどっちがいいんだろう。悩む)
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