Other*

□ハーレム☆ハーレム
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秋丸は玄関のドアを開けた。静まりかえった家の中。みんな出かけているのかな?そんな考えがよぎりながら、彼は小さく「ただいまー」といって靴を脱いだ。フローリングの上を歩いてゆくとリビングのソファに隆也を発見した。彼の瞼はぴたりと閉じていて、その下にいつも強い光をたたえている漆黒の瞳は隠されている。
彼にかけられているのは薄手のタオルケット。そのキミドリ色のタオルケットが、黄色いソファーと愛らしく調和していた。しかし、そのタオルケットからだらりと伸びた腕に視線を向け、それを目で追ってゆけば、僅かにはみ出た肩の様子から、おそらく彼が裸なのがわかる。
秋丸はそっと息を漏らした。
同じ捕手である隆也は、やはり一年の違いか、自分よりも小柄だ。たった一つしか違わないのに、彼は自分と榛名に敬語を使い、意外なほど素直に自分たちの話を聞く(いや、それでも榛名とはしょっちゅう喧嘩してるけど)まだあどけない笑顔。意地っ張りで子供っぽい拗ね顔。
そんな彼は、時に恐ろしく妖艶な笑みを浮かべる。
昔の武将や皇帝で、美少年に現をぬかし、まるで愛妾であるかのようにそばに控えさせていた、という例ならいつくもあげられる。ギリシア神話ではあの太陽神アポロンでさえ美しいヒュアキントスを愛し、その死を悼んでヒアシンスという花に変えたではないか。
彼はそんなイメージを思い起こさせる存在だ。
秋丸はそれ以上、彼に近寄れなかった。

キッチンに行くと、榛名がコーヒーを飲みながら珍しく新聞を読んでいた。
(どうせスポーツ欄だろう)
そう思いながら覗きこむと、案の定。

「お、秋丸お帰り」
「ただーいま。オレもコーヒー飲みたい」
「あっこにまだあるぞ」

榛名が指さした方には、保温のランプがついているコーヒーメーカー。オレは自分用のマグカップを手にとると、一度電気ポットでお湯を指してカップを温めてから、それを捨ててコーヒーを注ぎ入れる。榛名はまどろっこしいことをするというけれど、オレは出来るだけ熱いのが飲みたいんだ。
フッ、とちょっとだけ口をつけながら、テーブルのあいている席に座る。榛名はなにやら真剣な顔で記事を読んでいる。

「あのさ」
「ん?」

読んでいるのを邪魔してしまうのをわかっていて声をかけた。

「隆也君、あれ、寒くないかな?」
「………大丈夫だろ、あいつ暑がりだし。寒くなったら起きてくるよ」
「………風邪をひいたら榛名のせいだよ?」
「なんで?」
「さぁ」

はぁー、と一つ榛名はため息をついて、重い腰をあげると音もなくリビングに向かって歩いていった。そしてほどなくして戻ってくる。

「そんなに冷えてなかったぞ、ま、一応もう少し厚手のモンかけてきたけど」
「パジャマは着せてあげたの?」
「んな面倒なことするかよ。だいだい中途半端に起こすとうるさいんだから」
「榛名がしつこくかまうから、いつも疲れてるんだろう」
「……なんだよ、今日はちょっとカラんでくるな」
「べーつに」

オレはコーヒーをまた一口飲む。榛名はオレの目の前に座りなおして肘をつきながらまた新聞に顔を落とした。その頬が少し赤くなっている。



「榛名」


オレは、スッと椅子を立った。そして、オレの動きを見上げてくる相手のそばによると、その唇に自分のものを重ねる。

顔を離すと、榛名がびっくりしたように瞬きを何度もした。けれど、オレは構わない。

「ねえ、今度はオレをかまってよ」

少し甘えるように。でもたぶんオレの無理してる笑顔は、オレの寂しさを隠し切れていない。

「オレだって、好き、なんだよ?」


それからギュっと抱きしめた。相手の反応をうかがう。じっと静かにしているその様子にほっとすると、オレはもう一度唇をよせた。


******
どどどどうした自分!
いままでほのぼの?ムード一直線だったハーレム設定がここにきてこんな展開に。
や、秋丸と隆也は仲良しさんですよ。普段はいっそ榛名はカヤの外って感じで二人で捕手話やそのほかの話に花を咲かせてます。
でも秋丸はもう榛名とは付き合いが長いし年も同じなので、あんまり強い執着心を見せないというか、いや恥ずかしいから隠してしまうんですよ。(と勝手に妄想)
でも隆也のほうは意外に感情がストレートだから、榛名と憎まれ口叩きあって、喧嘩して、榛名が生意気とかいって押し倒して、結局ギャーギャー言い合ってる割にはスキンシップが多いという(腐)
そういうのを秋丸は、あーやれやれまた騒いでるよくらいで流しているつもりなんだけど、やっぱり自分のこともみてもらいたいな、と思ってしまう時もあるわけで。

だいぶ変な方向へいってしまいましたが、イメージ的に秋丸は長いこと連れ添った第一夫人で、隆也はやって来たばかりの第二夫人、みたいな感じでしょうか。


でもみんなさっぱりしているから仲はいいんですっ(夢見てますか、そうですか;)

うーむ、しかしあきゃまる様が加わるとずいぶん雰囲気が落ち着くような気が。

あれですね、タカヤハーレムの三橋と榛名は同レベルでお子ちゃまで、ミハシハーレムの阿部と叶もどんぐりの背比べおちび様だったからですね。

榛名は精神年齢引き上げになんの効果ももたらさないのかよ…(がっくし)

あ、あくまでこのサイトの偽物軍団だからみんなダメッ子なんですけれどね(><)
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