アイの夢たち

□忘れものには福がある!
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「のわぁぁあああ!!!
 傘忘れたぁ!!!」




ヤバい!外、土砂降りじゃんか!

あー、誰か私と家の方向一緒の人…




「って、叶しかいないじゃん?!」

「俺が何だって?」

「おわっ!叶!」

「バカだなー
 こんな雨降る日に傘忘れるか?」

「失礼な!人間忘れものぐらいするさ」

「へっ」

「鼻で笑うなぁ!
 ってかさ叶。雨だから部活休みなんでしょ?」

「おぅ」

「いれて??」

「は?」

「お願い!一生のお願い!」

「…いや、普通に考えてムリだから」

「何で?!」

「お前マジでバカ。」

「バカバカ言うなぁ!酷い!
 もういいもん!叶なんか知ーらない、1人でぬれて帰ってやるぅ!!」

「貸す。」

「え?」

「だから貸すって!」




そう言うと叶は私に傘を押しつけて、”んじゃな”といって玄関から出ようとした。




「ちょっと待ってよ叶!
 叶が濡れるじゃん!」

「水も滴るいい男。っていうだろー」

「自分で言うな!」





まぁカッコいいけどさぁ…

って何考えてんの?!

叶もう見えなくなったじゃん

ぁ、ありえないっ!

叶ってあんなに優しかったけ?

…えぇ?!私、叶ごときに何ときめいちゃってんの!!





「叶のばか…」

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