シリーズ小説
□スタート!!番外編
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教職員やPTA関連の書類にすべて目を通し、あとは三神理事長が確認するだけになった書類を、部屋の奥にある理事長の机へと持っていく。
ちょうど書類を机の上に置いた時、スーツのポケットに入っていた携帯が震えた。携帯を取り出すと、メール未読1件の文字。
そのメールの送り主は、
「紘太さん…」
内容は、今会えないかといったことだった。
今まで紘太さんがこういった類のメールを送ってきたことはない。そのせいかやたらと胸の鼓動が速まる。
胸の鼓動に動かされるように、早足で理事長が仮眠している部屋の前まで行き、扉をノックする。
ああ、早く、紘太さんにメールを返さなくては。
携帯を手に握り締めたまま、扉の前で理事長を待つ。しばらくすると、がさがさという音がしたと思ったら、扉が勢い良く開いた。
「…んだ、四宮。」
「仮眠中失礼いたします。申し訳ありませんが、机の上の書類に目を通していただけますか。
…それと、今から少しの間外出してきてもよろしいですか?」
「書類かあ…。て、なんだ四宮、出掛けるのか?」
欠伸をかみ殺し、扉に寄りかかりながら視線をこちらに向ける。