素敵なもらい夢
□ALONE
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「世界にアタシ達二人だけだったらよかったのにね」
日の沈む、逢禍時に
誰もいないの教室にふたりきり。
「そうしたら…
アタシ達は愛し合うしかないじゃない」
椅子に座ったアタシと
机に座った彼。
「俺がお前を愛しとらんと言いたいんか?」
オレンジに染まった銀色。
不機嫌そうな彼の顔。
「違うわ」
誰もいない教室の片隅での逢瀬。
アタシ達はただただ不毛な愛を確かめ合う。
「好きよ」
「あぁ」
「大好きよ」
「わかっとぉよ」
アタシは笑う。
彼は笑わない。
「もしも世界にアタシと貴方だけなら…
貴方はアタシを抱くかしら?」
「たぶん抱くじゃろうな…」
「子供が出来るわね」
「お前に似た子なら可愛いじゃろうな」
「女の子なら殺しちゃうかも」
彼がアタシを見つめる。
「貴方がアタシ以外の女を見るなんて、耐えられないわ」
制服の上から、アタシはアタシのお腹を撫でる。
ぺたんこ、この中にはまだアタシしかいない。