素敵なもらい夢

□ALONE
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「でも、貴方に似た子なら…綺麗でしょうね」

彼がこの中に宿るなら、それはとても素敵なこと。

「男の子じゃったらオレが殺してしまうじゃろうな」

アタシが彼を見つめる。

「お前が俺以外の男に触れるのは耐えられん」

彼がアタシのぺたんこのお腹を撫でる。
制服の下から、直に。

「我が儘ね」

彼のごつごつとした男の手が、優しくアタシの肌に触れる。
くすぐったい。

「お前に言われとぅない」

苦笑い。
すごく綺麗。
彼の全てが綺麗なのだけど。

「そこに入っていいのは貴方だけよ」

彼の手が、アタシのお腹を強く押す。
息が詰まる。
苦しい
でも幸せ。
違う
苦しいのが、幸せ。

「世界には俺とお前の二人だけで十分じゃ」

真っ暗な教室で、
彼はアタシに跨がって
アタシ達は身体を繋げる。
アタシはただ声をあげる。
痛みと快感が、幸せ。

からっぽだった、アタシのお腹に彼が注ぎ込まれる感覚。

「世界には、アタシ達だけじゃない」

邪魔なものが、沢山ある。
貴方が見つめるアタシじゃない女、
アタシに触れる彼じゃない男。

「みぃんな、なくなっちゃえばいいのに」

乱れた制服のまま
教室の隅にうずくまる。

彼はいない、
アタシ一人。
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