title
□3.そんな僕を悲しむべきなんだろう
1ページ/1ページ
いや、
イヤ、
嫌、
嫌だ、
いやだよ、
こんなこと
でも、
本当にそう思ってるの?
俺。
おかしいってわかってる
でも捨てられないんだ。
水谷がへらへらしながら本当は他人なんかどうでも良いって思ってるのなんか知ってた。
俺はそんな水谷を可哀想に思った。
俺は決して水谷が嫌いじゃなかったし、人を好きになるとか、信じるとかって大事なことだと思っていたから。
じゃあ、栄口が教えてよ、俺に。わからせてみせてよ。ほら、こんなことされても俺のこと嫌いになってくれないの?なんでなんで?優しいね。
いいんだよ、いつでも捨てちゃってよ、こんな奴。
でもそしたら…ねぇ?
それでもいいってくらい、嫌なら逃げたら?
好きでこんなことされてるわけじゃない。
泣かされたことだって1度や2度じゃない。
でも自分のことよりも先に水谷を憐れんでる自分がいて、そいつが俺に水谷を捨てさせてくれない。
なんでなんでって俺だって聞きたい。
ねぇ、なんで?俺?
わかんない、どうしよう
どんどん痛んでいくよ
でも捨てられない
果たして理由は
憐れみだけでしょうか
たぶん、
あいつよりも先に、
きっと、