□the Star Festival
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 なんとなくテラスに出て夜風に当たりつつ夜空を見上げていたら、何やら庭の方からスマイルとアッシュの声が聞こえた。

 少し燥いでいるような、そんな楽しげな声。



 私はもう一度夜空を仰ぎ、そうして庭の方へと翼を使って降りた。












the Star Festival












「おや」

「あ、ユーリっ」




 ちょうどいいところに。今呼びに行こうとしてたんスよ。


 そう言って、尻尾があったらそれをバタつかせていそうなアッシュが人懐っこい笑みを浮かべて近くへやってきた。

 そんな彼の頭には、紙で作った飾りが何故か巻き付けられている。
 そして、その後ろにいるスマイルの手には、紙で作った飾りと短冊。


 どうやら、彼らは今年も七夕の準備をしていたようだ。




「今年はまた随分と立派な笹を用意したな…」




 そう言って見上げたのは、例年よりも大きく立派な笹。
 それは、風が吹く度に涼やかな音色を発てていた。




「ヒヒッ、張り切ってみました☆」

「いったい何処から…」

「ソレは企業秘密だヨw」




 本当に……毎年思うのだが、スマイルはいったい何処から持ってきているんだ?
 この辺りに笹が生えている処など、皆目検討が付かないし…。


 暫く考えていたが、なかなか答えは見つからない。

 すると、それを見兼ねたアッシュが苦笑いを浮かべながら、私の目前に短冊を差し出した。




「ま、まぁ…細かい所はあんま気にせず、お願い事書きません?」

「ぼく的にはもっと突っ込んで欲しいケド、まぁいっか」




 なんて言いつつ、彼はギャンブラーなんとかとやらの小さな人形を笹に括り付けていた。
(その飾りはどうなんだ…?)




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