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□Bird
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たとえ、離れ離れになってしまったとしても、必ず会いに行くから。
「鳥はイイなぁー」
「………何故?」
たとえ、この身に何が起きていようとも。
「だって、翼があるじゃない」
たとえ、どんなに離れていようとも。
君が、
貴方が、
たとえ何処にいようとも。
「どんなに遠く離れていても、君の許へ行ける」
必ず、逢いに行くよ。
だって、
君の、貴方の許こそが、
自分の居るべき、
還るべき場所なのだから。
Bird
「君って、いつもそうだよね」
普段は優しく細められる眼が、今は軽蔑を込めたように冷たく細められている。
「……何がだ」
それを痛く感じているはずなのに、そう気付く前に口が勝手に言葉を紡ぐ。
自分の気持ちに気付けないくらい、何かが壊れていた。
「君はいつも、人のことを邪険にしているってことさ」
外で洗濯物を乾していたアッシュが、私たちの静かに、けれど明らかに険悪な雰囲気の中言い争う声を聞き付け、城の中へと戻ってきた。
だが、彼は口を挟むことができず、ただ心配そうにこちらを頻りに窺っている。
私の周りでは蝙蝠たちが心配そうに集い、黒猫のテッドも私とスマイルを交互に見上げていた。
けれど、私たちはそれらには全く気が行かず、目を細め、互いを睨んだままだった。