The Mortal Sin
□The Mortal Sin １１
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『……ユーリ、お前は犬は嫌いか？』
「――ルリ、ザイン！やっとわかったわ、あのバカが何処に行ったか！」
「っアリア！何処だ？」
「ユーリの城よ！
それが……、あの人も……兄様も行ってるみたいなの！」
『？好きです……それがどうかしたんですか？』
『ふふ……実は先日、黒い犬を１匹拾ってきてな？』
『…拾ってきたというより、あれは殴って気絶させたところを連れてきたのでしょうが』
『………黙れ』
「ったく、あのチビ…！」
（…気付かれないよう、わざわざ私達との意識の繋がりを断ち切ってまで…）
「あの子の性格上…何もない、なんてないわよね…」
「……ちっ」
『ほら、ユーリ……おいで。会わせてあげよう』
『多少頭は足りていないが、根は優しい奴だ』
『私の可愛いペットだよ。……いや？友達、かな』
『……友達？』
『正確に言えば主と僕だが………そんなの詰まらないだろ？
だから、私の大切な友達』
（お前は、何をしようとしているの？）
「どうする……ルリ」
（お前は……どうしたいの…？
シオン…………ねぇ、シオン）
『可愛い奴だよ』
『阿呆さ加減が……ですか』
『ふふっ。
きっと、ユーリもすぐに気に入る』
「……ルリ」
『こいつもきっと、お前を気に入る。
仲良くしてくれな？』
『はい！』
「……私が…迎えに、行ってくる」
『ユーリ、こいつの名は――……』
あぁ………雨が、降ってきた。
また、誰かが………泣くのかなぁ？
The Mortal Sin １１