Another Novel
□the Star Festival 2
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今日は夕方過ぎから皆が騒いで七夕の準備をしてます。
日本にある風習で、なんだか面白そうだっていうんで、
ワンコ兄弟も呼んで、皆でやってみました。
the Star Festival 2
「ラス、なんて書いたの?」
僕は、短冊の束を持ってウキウキと横を通り過ぎたラスネールに訊いてみた。
そうすれば、彼は無邪気な笑みを浮かべたまま振り返り、僕へ束を寄越した。
「スティルには見せてあげる〜☆」
「アリガト…」
受け取った短冊を1枚1枚眺めていく。と、ザインがひょこっと僕の肩越しに覗いてきた。
(ザインもいいんだ。マァ、隠しても無駄だしね)
ラスが何処か嬉しそうに見詰め、
ザインに手を頭に載せられたままお願い事の内容を読んでみた。
「『飴食べたい』、『プリン食べたい』、『ケーキ食べたい』、『綿アメ食べたい』、『クッキー食べたい』、『ユーリ欲しい』…」
「まとめて『甘い物食べたい』にしろよ」
「だって、いっぱい書きたかったんだもの」
「つか、最後のはどうなんだよ…」
「だってお願い事でしょう?1番のお願いはそれだし」
そう言って僕の手から短冊を取り、笹の葉に括り付けに行ってしまう。
そんな彼の背中を見て、僕らもそこへ向かいながらボソリと。
「…僕、複雑……」
「オレも。ちょっと、スマイルに同情するわ…」
ウン。がんば。
(ユーリの取り合いは見てて飽きないケドね)