恋すてふ

□堕ちる
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鏡の中のロイドと手を合わせ、赤く色付いた肌に指を這わせる。
鏡の中の彼の表情はイヤらしく艶めいていて、それがまた自身の欲を煽った。

「っあ‥は、はぁ‥っ」

手淫する速度を速めると次第に昇り詰めていく。
唇から絶えず漏れる喘ぎも先ほどよりずっと甘く熟れ、自身の耳にこびり付いた。
こもる濃厚な空気と、淫猥な己の姿についにデクスは掌へと吐精した。
小刻みに繰り返される呼吸を整えながら、視線をゆっくりと鏡へ移す。
そこにはやはり恋焦がれたロイドの姿。

英雄を穢してやった。
現実ではないけれど、それは酷く魅惑的に己の中へ浸透していく。

いつか現実に彼を貶めてやりたいと、口元に笑みを浮かべたまま、再び肌へ手を掛けた。


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