恋すてふ

□堕ちる
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目の前の鏡には、英雄・ロイドが映っている。
淡く色付く唇を鏡越しにそっとなぞって、カツンと爪を立てた。
首元までしっかり覆われた洋服を剥いでいくと、白く骨ばった躯が露わになる。
赤い布がスルスルと躯の線を伝って床へ舞い落ちた。
白い肌と対照的な色合いの下着を脱ぎ捨てると、やはり上半身と同じ白い肌が晒される。
心許なく身に付けられたままの肌着の上から肌を弄り、やがて辿り着いたのは熟れた果実だった。
鏡の前で足を左右に開くように座り込む自身の姿に頬を染めた。
狭い空間にたった一人だったことは承知していたため、何の気兼ねもなく指先を動かし始める。
優しく擦り上げ時折痛みを感じるほど抓り上げる。
ただそれだけの刺激に関わらず、背筋にピリピリと心地良い電流が走り感度を増していく。
半開きの口から零れ落ちる甘い吐息に疼きを煽られて、無意識に片手が下半身へと伸ばされた。

「‥ん、ゃぁ!」

味わったことのない快感に腰をびくつかせる。
恋い焦がれたロイドの声が、指先が、淫猥な表情が、五感の全てを刺激する。
自身を自身で慰めているのにも関わらず、酷く卑猥で興奮してしまう。

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