恋すてふ
□せめて
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『本当にテメーはしょうもねぇ奴だなッポー』
「お前に言われたかねぇよ!!」
本当に仲のいい二人だと思う。
「(じゃけどそれって、仕事仲間としての仲の良さじゃないじゃろ)」
ルッチのパウリーを見る目は、カクがパウリーを見るそれと同じだった。
おんなじように、パウリーの目はルッチを。
出来ることなら、そんな事実は知りたくなかった。
あんなに仲の良い二人の間に割って入ることも、カクにはなんとなく出来なかった。
募り募った想いを打ち明けることすら赦されない。
ましてや今更膨れ上がった想いを無かったことにも出来なくて。
「パウリー…愛しとるよ」
呟いた言葉は虚しく響いて、無にのまれた。
誰でもええ、誰でもええから。
今もまだジクジク疼くこの想いごと、俺を殺してください。