M短編2
□黄瀬君(ry2
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「大輝の小テストの結果はあとで聞くとして。それは多分立海の制服だ」
聞きなれたよく通る声にその場にいた全員が振り返る。
見れば彼はやはり自分たち の部の主将で、遅れてやってきた彼の手には沢山の紙の束と、彼の昼食がおさめられていた。
「赤ちん、委員会終わったのー?」
「ああ、今し方な」
「お疲れ様です」
「ありがとう、テツヤ」
「ところで赤司っち、立海って?」
適当なところに腰を落ち着けると、赤司は自身の昼食を広げ始めた。
「テニスの強豪校として有名だな」
「へぇー、赤司っちよく知ってるっスね!」
「いや、バスケ部も中々強くて、大会でお前たちも目にしているはずなんだが…」
素直に感心する黄瀬に苦笑いを浮かべる赤司。
弁当箱を彩るおかずに箸を伸ばしながら、今度は自分が立海で待ち伏せてやるんだと息巻く黄瀬たちの会話を黙って聞いていた。
「(次の練習試合は 何処に申し込もうか…)」
「赤司っち?」
「赤司?どうしたのだよ?」
「あ、いや何でもない」
首を傾げる仲間たちに呼ばれ、そこではじめて箸を止めていたことに気付いたのだった。