M短編2
□黄瀬君(ry2
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「ってことがあったっス」
屋上でいつも通り弁当を広げるメンバーに力説する黄瀬を、またかといった表情で聞いていた。
それを聞いて口を開いたのは薄い水色の髪の生徒で。
「では、彼女は本当に何もないまま帰ってしまったんですね」
「そうなんっスよー、黒子っち。声かけられた時は絶対俺のファンだと思ったんスけど、全然興味ない感じで」
「…黄瀬、それ。じいしきかじょーのじがじさんて言うんだぜ」
黄瀬の向かいで惣菜パンを頬張っていた色黒の生徒が呆れたように突っ込んだ。
「青峰が熟語を知っているだと…!?」
「若干漢字が怪しかったですが、意外です」
呆れて会話に入ることもしなかった緑髪の生徒が驚きに目を見開く。
次いで水色髪の生徒―黒子が感心したように言葉を紡いだ。
「は?俺だってそんくらいは知ってんだよ」
「でも青峰君この前の国語の小テストで弱肉強食を間違えてました」
「う”っ…」
「お前…あんなものは教師のお情けと遊び心の塊だというのに…」
驚きから一転、心底呆れ顔に変わる緑髪の少年ー緑間に対し、青峰の顔を苦虫を噛み潰したようになる。
「ところで黄瀬君、その生徒さんは何処の学校なんですか?」
「え、あ、いや、わかんないっス」
「…はぁ」
どもる黄瀬に、黒子が若干使えないなこいつという表情を浮かべた気がしなくもない。
黄瀬にとって、本当に自分に寄って来る女の子などどうでも良いのかも知れない。
「あ、でも制服の色は覚えてるっス。青緑みたいな色のブレザー着てたっスよ!」
「青緑…」